フースラーメソードの特徴

こんにちは!

ボイストレーナーのDK です♪

さて、前の記事でフースラーメソードが私が知る限り最も優れたボイストレーニングメソッドと書いた理由を説明しようと思います。

発声時には体全体の40種類以上の筋肉が関与すると言われていますが、とても大事な役割を果たす喉周辺の筋肉が次のとおり2つに分けられます。

内喉頭筋・・・喉仏の中にある筋肉
外喉頭筋・・・喉仏の外にある筋肉


内喉頭筋は発声においてメインとなる甲状披裂筋、輪状甲状筋という筋肉が存在します。他にも重要な筋肉がありますが、各アンザッツの記事で説明するとし、ここでは割愛します。

甲状披裂筋は声帯の緊張を調節し、いわゆる地声っぽさや声量に大きく関与します。輪状甲状筋は声帯を伸長させることで音の高低に関与します。

内喉頭筋の筋肉のバランスを整える、つまり輪状甲状筋の作用で声帯を引っ張り具合をコントロールし、甲状披裂筋の作用で声帯の緊張の度合いをコントロールできれば、理論的に歌唱時の音域、声量、音色を自由にコントロールができるはずです。

そのため巷のボイストレーニングでは理論的と評されているものであっても、いわゆる「ミックスボイス」という言葉の流行も相まって、ほぼ内喉頭筋のバランス調整のみにフォーカスしたものが主流だったと思います。

ただし、元々内喉頭筋のバランスをとって発声する下地を持ち合わせている人を除き、私を含め、多くの人が練習を重ねても特に音域の問題(高音発声)を解消することができず、発声において長いトンネルを彷徨ったのではないかと思います。

そんな中、2012年『ボーカリストのためのフースラーメソード』が出版され、素晴らしい発声教師、研究者であったフレデリック・フースラーが著書「うたうこと」の中でも特に重要視していた外喉頭筋のトレーニングが内喉頭筋の「正しい」バランスを手に入れるために必須であることを私たちは知ることになります。

そう、フースラーメソードはこれまで巷であまりフォーカスされていなかった「外喉頭筋」の重要性を示し、喉仏を外から4方向に引っ張ることではじめて内喉頭筋の「正しい」バランスを獲得することができるというとても大切なことを私たちに教えてくれたのです。

さらに、著書の中には日常生活では作用することが少なく、一般的な発声練習ではあまり用いられていなかったそれぞれの外喉頭筋にアプローチする具体的な練習方法が示されていたのです。私にとっても長いトンネルからの出口がようやく見えたとても画期的な出来事でした。

さて、いよいよ次の記事からアンザッツについて触れていこうと思います。

読んでいただきありがとうございました。

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